16「君を見てたから」
そんなにあいつが気になるの?
そりゃあ、分かるよ
あいつのことになると君、
笑って、泣いて、怒って、照れて…
そんな君をずっと見てきたんだから
ねぇ、あいつ以外は、他のやつはダメなの?
…俺じゃ、ダメなの?
17「俺はただ」
みんな 俺のことを強いって言うけど
俺は強いんじゃない
人一倍、臆病なだけなんだ
あいつが、大切なやつが死んで
俺は人が死ぬっていう怖さを知っちまった
だから、俺は、この手の届く限り
大切な人達を守ろうって
ただ、人が死ぬのを見たくないから
18「ひとりごと」
お前、泣いてんのか…?
そうか、目にゴミ入っただけか…
なぁ、今から俺の独り言な
いっつも俺の近くに
いてくれるやつがいるんだけどさ
そいつ、陰口叩かれたり、
根も葉もない噂流されたり
それでも、いつも気丈に振舞ってさ
俺、そいつの助けになりたいんだよ
だから、もっと頼ってほしいって、思うんだ
…ゴミ取れたか?
それじゃ、クレープでも食って帰ろうぜ
19「君へ…」
誰かがやってくれる
そんなことみんな思ってんだ
みんながみんな誰かやってくれるって
そう思ってるから誰も何もしない
このまま放置し続けたらこの世界が終わる
それくらいお前でもわかるだろ…?
ついてくんな! お前は、お前だけはついてくんな
俺は …お前に死んで欲しくない
…行ってくるわ 家のこと頼むな
20「自己満足」
俺らをおいていくのか?
なんだよ、それ・・・
皆のためなんて言ってっけど
それってお前の自己満じゃねーか!
そんなことないって言うんだったら訊いてみろよ
皆がどう思ってるか
お前だけを犠牲にしたりしない
ひとりでカッコつけさせねーぞ
「君を見てたから」
こんなこと言われたい、いわれない
「俺はただ」
死は目の当たりにすると、思っていたよりも怖い
「ひとりごと」
口を挟まれないように、独り言ってことにする
「君へ…」
どこでも犠牲はつきものである
「自己満足」
そして犠牲とは思ったよりも甘美なものである
21「この世の理」
貴様はよくわかっていないだろうが
この世界には理(ことわり)ってものがある
誰も口に出さない、けれど皆が知っている
いわば、暗黙の了解とも言えるようなものだ
なおかつ、誰もそれに反することができない
たとえそれが自分にとって
どんなに悲惨な結末を迎えるものだったとしてもだ
今まで理に反し、変えようとしたものが
正常な状態で戻ってくる姿を
私は生まれてこのかた、一度も見たことがない
…貴様はこの話を聞いて尚(なお)、
行くと言うのだな
覚悟はもう決まっているのか…
ならば仕方ない。行け
必ず、無事に帰ってこい。
さもなくば、
貴様がどんな状態でも私が切って捨ててやる
もうあんな悲惨な姿、目にしたくはない
22「君を止める」
昔、君とは腐れ縁でずっと一緒だった
だから、君はちょっと周りからずれてるだけで
道は絶対に踏み外さない人だとおもってた
しばらく会わないうちに、君は随分と変わったね
価値観も考え方も僕が知っている君じゃない
それも成長っていうのかな?
大義をなすためならどんな犠牲も厭わないなんて
昔の君だったら、真っ向から否定してたはずでしょ
…それで解決できないこともある、か
ほんとに変わったね。
何があったかは…聞かないけれど
確かにそうかもしれない
でも君がそう言うなら、僕は…
命を賭(と)して、君を止めよう
昔の僕だったら、君のいいなりだったろうさ
でも、今は違う
騎士として、人として、・・・君の親友として
僕は君を止める義務がある
さ、最後のケンカをおっぱじめようじゃないか
23「Sな部下」
気に食わない? 私の態度がですか?
そんなこと言われても、
簡単に直せるものではないですし
「年上に対する態度がなってない」?
年上?あぁ、あなたのことですか
失礼、身長も業績も私より低いので
年上としてみることを忘れていました
言い返せないって感じですね。
まぁ、そうでしょう
私は事実しか述べていませんから
さ、他に反論は?
私のほうが部下、ですか。
それも今のうちでしょうね
あなただって薄々気付いていたんでしょう?
入社して間もない私が
あなたの座を脅かしていることに
24「好き?嫌い?」
○君のことなんか嫌いだもん!
□嫌い?
○そう!君の事なんて大っ嫌い!
□俺のこと、嫌いなの?
○うっ…だからそう言ってるじゃん…
□じゃあ俺、あんまり関わらないほうがいいよね?
○え?
□だって、俺のこと嫌いなんでしょ?
○う、嘘だって…
□何が嘘なの?
○だから、君のこと嫌いって言ったこと…
□じゃ、ほんとはどう思ってるの?
「この世の理」
ギルドの頭が言ってる気分
「君を止める」
こういう喧嘩は、あんまりしたくない
「Sな部下」
Sがかきたかっただけ
「好き?嫌い?」
はたから見てるのが一番楽しい